TOP > 事業計画 / Last update: 2019.10.18

以下に掲載の事業計画案等は、2019年6月2日開催の本会評議員会で承認されました。

本ページには、『図書館界』71巻1号(2019.5)掲載の日本図書館研究会決算・予算・事業計画関連文書のうち、事業計画(案)と各役員による説明・呼びかけ文を掲載しています。決算・予算表等は省略していますので『図書館界』と合わせてご覧ください。

理事長 / 事務局長 / 編集委員会 / 研究委員会 / 奨励賞 / ブロックセミナー担当


2018年度決算報告・2019年度事業計画・予算案


2019年度事業計画等の提案にあたって

理事長 原田 隆史

 前田章夫前理事長に代わり,新しく理事長に就任いたしました原田隆史でございます。理事とし
 ても初当選という身で経験不足ではございますが,皆様のご協力をいただき職務に邁進したいと
 思います。何とぞよろしくお願いいたします。
 さて,日本の図書館における職員数や予算の増減について,若干のアップダウンはあるものの長
 期的に厳しい状況が続いています。日本図書館協会の図書館調査事業委員会がまとめた「公共図
 書館集計(2018年)」を見ても,公共図書館数(4館増)や経常経費予算額(2.9%増),
 資料費予算額(0.7%増)は2017年の値と比較して僅かに増加しているものの,年間受け入
 れ資料数(1.9%減)や個人貸出資料数(0.9%減)は減少しています。職員に関しても非常
 勤・臨時職員数や,委託・派遣職員数は増えているものの,専任職員数は2%の減少となってお
 り,長期に渡る減少傾向に歯止めがかからない状況です。
 一方で,図書館員と関わりがある社会状況の変化や技術の進歩は急であり多様性を増しています。
 来館者サービスでは,たとえば,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が201
 6年に施行されてから数年が経過し,図書館での対応も少しずつ整備されてきています。しかし,
 同時に,時間をかけて取り組むことが必要な課題も見つかっています。
 整理業務に関しても,2018年度には日本目録規則(NCR)2018年版が刊行されましたし,
 2018年度末の3月には日本十進分類表(NDC)の新訂8版と9版のデータがCC-BYライセンス
 のもとに公開されました。また,7月には新刊の書影データを国立国会図書館がAPIで公開し始め
 ました。さらに,2019年1月に施行された著作権法の改正によって所在検索サービスや情報
 解析サービスのためのデジタル化が可能になるなど,この1年は図書館におけるシステム化に関
 する大きな変化があった年でした。予算・人員ともに削減される傾向にある中で図書館員が学び,
 対応しなければならない範囲は逆にますます増えてきているともいえるでしょう。
 今後の動きとしても,図書館を含む社会教育機関の首長部局への所管を可能にする「第9次地方
 分権一括法案」が現在審議中ですが,成立した場合には図書館にとって大きな影響が予想されます。
 今こそ,これらの様々な変化に対応し自発的に動いていくことが求められていると思います。この
 ような状況に適切な意見を発信し,世の中が同意してくれるためのアピールや方策を模索すること
 が非常に重要でしょう。本研究会でも新しい環境への対応と発信力の双方で会員の皆様とともに学
 び議論していければと思います。
                  ◇   ◇   ◇   ◇
 2018年度の一般会計決算を見ていただければわかりますように,現在日本図書館研究会の財政
 は,かなり厳しい状況です。一般会計については400万円以上の赤字で,特別会計からの多額の
 繰り入れが必要となりました。もちろん,2018年度には400号記念特集号を刊行したなどの
 特別な事情があってのことではありますが,2019年度の予算案でも金額は減ったものの特別会
 計からの繰り入れが提案されています。このままの状況が続くと本研究会そのものの存続にも関わ
 る事態だと憂慮されます。
 もちろん,日本図書館研究会にとって『図書館界』の充実や,ブロックセミナー,研究大会,研究
 例会,さらに各研究グループなどの活動は生命線であり,これらを縮小することはできません。し
 かし,可能な限りの経費節減は必要で,努力する所存です。また,多くの人々に入会いただくこと
 は簡単なことではないと思いますが,活発な活動を行い,本研究会全体の魅力をアップすることで
 少しでも興味をもっていただける状況を目指します。会員の皆様のご指導とご協力をお願い申し上
 げます。
 以下に掲載する事務局長および各委員長,担当からの提案説明,事業計画,予算案などの内容を検
 討していただき,6月2日開催の評議員会(当会の実質的な最高議決機関)の審議に向けて,会員
 の皆様が多くのご意見,ご提言をお寄せ下さることを期待しております。お寄せいただいたご意見
 等は当日の討議の資料として活用させていただきます。
                               (はらだ たかし 同志社大学)

事業計画・予算案の提案説明

事務局長 松井純子

 1.2018年度決算
 2018年度は,予算編成時から一般会計での支出増加が見込まれていたため,特別会計から多額の
 繰入れを行い,乗り切りました。それを穴埋めできる収入は,残念ながら確保できませんでした。
 まず一般会計の《収入》ですが,「会費」収入が予算を14.5万円下回りました。決算額自体は2
 017年度を12.4万円上回ったのですが,個人会員700,団体会員360で見積もった予算額
 には達しませんでした。会員の皆さんが会費を納入されるタイミングの問題(17年度に前納か18
 年度中か)もありますが,決算期になっても未納の個人会員が30名ほどおられたのも,残念ながら
 事実です。また,会員数も減少しています。「『界』売上げ」は,バックナンバーの売上げが例年よ
 りも多く,予算を上回りました。「広告料」は予算どおり,「雑収入」は少し予算を上回りました。
 結果として,《収入》全体では,当初予算から見て約7万円の減収でした。
 次に一般会計の《支出》です。「研究調査費」でわずかに予算オーバーした以外は,すべての費目で
 予算内に収まりました。『界』400号記念特集号に多額の費用が必要であった「雑誌刊行費」も,
 予算内に収まりました。「役員選挙費」は,前回選挙(2年前)までは特別会計の費目でしたが,評
 議員会での指摘を受けて,今回から一般会計に移して執行されました。これも予算内に収まりました。
 「国際交流費」「組織強化費」の執行はありませんでした。また,「予備費」に計上されていた手話
 通訳用の予算も執行がありませんでした。
 結果的に一般会計では,約136万円を次年度に繰り越すことができました。年度当初予算では前年
 度繰越金が約112万円しかなく,収入減・支出増に対応するため,やむなく特別会計から430万
 円を一般会計に移すという苦渋の措置を採りました。最終的に繰越金を約24万円増やすことができ
 たのは,各委員会や担当者の努力の賜物です。しかし,16年度から18年度まで3年連続で,年度
 収入だけで支出を賄えず,17,18年度は特別会計から不足分を補填しています。19年10月には消
 費増税が予定されており,一般会計への圧迫がさらに強まることでしょう。
 特別会計に移ります。《収入》のうち刊行物の売上げは,予算を約75万円,前年度決算と比較する
 と約122万円も下回るという厳しい結果でした。『図書館資料の目録と分類』増訂第5版の売上げ
 が前年度より約69万円も減少しており,その他の刊行物も予算を下回りました。しかし出版経費へ
 の寄附があり,収入不足を補いました。
 一方の《支出》は,「出版物印刷費」として『日本図書館学の奔流』の印刷代,『目録と分類』増訂
 5版の増刷代を執行しました。なお,新刊『より活発に利用される図書館を目指して』の印刷代は1
 9年度の支払いとなったため,ここには計上されていません。また上述のように,一般会計の不足を
 補うため,特別会計から430万円を補填しました。その結果,次年度繰越金が約1,750万円と
 大幅に減少したことはやむをえませんでしたが,大変遺憾でした。
 第2特別会計(図書館研究奨励賞基金)に移ります。《収入》は利息が多く付きました。《支出》は
 2名に授賞し(p.63参照),副賞,事務費が予算を超過しましたが,若手研究者の育成のため,今
 後も事業を継続していきます。
 第3特別会計(75周年記念事業積立)は,2021年11月に創立75周年を迎える本会の記念事
 業を賄うものです。18年度は寄附金がゼロのため《収入》は予算に達しませんでした。また18年
 度は活動休止状態で《支出》がなく,そのまま繰り越しました。
 以上の結果,2018年度は,一般会計136万円,特別会計1,750万円,第2特会1,064
 万円,第3特会240万円と,それぞれ多額の繰越金が確保されました。しかし一般会計の単年度
 収支は,収入の合計が約805万円(前年度繰越金・特別会計からの繰入れを除く)に対し,支出が
 約1,210万円で,支出が収入を約405万円上回っています。そのため特別会計から430万円
 を補填したことは上述のとおりです。しかし,会費収入の増加,すなわち会員の増加が見込めない現
 状では,次年度以降も一般会計の赤字を特別会計の黒字で手当てすることになるでしょう。会員数の
 減少に歯止めをかける抜本的対策を講じることが急務です。

 2.2019年度事業計画(案)
 19年度で特記されるのは,国際図書館学セミナーの上海での開催です(本号p.76のご案内・発表
 者募集の記事をご参照下さい)。国内でも研究大会や図書館学セミナーを開催します。ブロックセミナ
 ーも,会員の獲得と会員どうしの交流促進,ブロック内の活性化のため,積極的に開催を推進します。
 出版事業では,『図書館・図書館学の発展−2010年代を中心に』(『界』400号記念特集号の
 単行本化)の刊行と,NCR2018年版に対応した『図書館資料の目録と分類』の大幅改訂を予定して
 います。
 創立75周年記念事業は,今年度から本格的に事業の実施に着手します。
 さらに,本会ホームページの充実・速報性向上のため,ホームページのリニューアルを行います。

 3.2019年度予算案
 2018年度は,多額の支出に備えて予算編成を抜本的に見直しました。19年度も同様の方針で予
 算案を編成し,特に一般会計は,可能な限り収入に支出を近づけるよう努力しました。が,収入不足
 は解消できておりません。
 一般会計の《収入》のうち「会費」は,個人・学生・団体会員ともほぼ実数どおりで予算化しました。
 当然ながら18年度よりも予算額が少なくなりました。
 一般会計の《支出》では,「雑誌刊行費」を大幅に減額しました。18年度は400号記念特集号刊
 行のため予算が膨らんでいましたが,19年度は平年並みに戻し,さらに少し抑えた額にしました。
 「研究調査費」も原稿料,研究グループ助成ともに減額しました。
 一方で「交通費」を増額しました。これは主に理事会の交通費です。また,「国際交流費」に国際図
 書館学セミナーのための経費を上乗せしました。
 「事務局費」に,ホームページリニューアルの予算として50万円,およびPC買い替えの予算10万
 円を計上しました。ホームページの刷新により,内容の充実や速報性の向上が図られ,本会の活動を
 より伝えやすくなります。「予備費」では,昨年と同様,手話通訳費10万円を盛り込んでいます。
 しかし,約933万円の予算収入(前年度繰越金を含む)に対し予算支出は約963万円となり,収
 入不足は明らかです。そのため,19年度も,ホームページリニューアルとPC買い替えに充てる予算
 60万円を特別会計から一般会計に移して補填することにしました。こうした場合,ホームページリ
 ニューアルなどは先送りすべきという考えもありますが,Web情報の充実により雑誌刊行費の低減を
 図り,さらには本会の魅力向上につなげていきたいと考えます。
 次に特別会計です。《収入》では『目録と分類』増訂第5版が柱であることに変わりはありませんが,
 18年度よりも低く見積もりました。新刊『より活発に利用される図書館を目指して』と近々刊行予
 定の『図書館・図書館学の発展−2010年代を中心に』の売上げに期待しています。図書館での購
 入にご協力いただきますようお願いいたします。
 特別会計の《支出》では,「出版物印刷費」として270万円を計上しました。『より活発に…』と
 『図書館・図書館学の発展』の印刷代,および『目録と分類』大幅改訂による新版刊行のための経費
 です。「印刷編集費」にもNCR2018の転載料を計上しました。
 上述のとおり60万円を一般会計に移すと,予備費は約1,600万円にとどまりました。
 第2特別会計は,《収入》《支出》とも18年度と同様の予算編成です。
 第3特別会計(75周年記念事業積立)も18年度と同様ですが,事業の本格実施の時期を迎え,会
 合費をやや増額しました。
 以上,19年度はまたも特別会計から60万円を一般会計に繰り入れるという提案を行わざるをえま
 せんでした。十分な会費収入を確保して単年度収入で単年度支出を賄えなければ,次年度以降も特別
 会計から一般会計への繰入れが続くと思われます。収支を厳しく見直すだけでは不十分で,それ以上
 の抜本的な改革が必要です。理事会でも,財政健全化の方策について検討を進めていますが,館界の
 構造的問題もあって,抜本的対策はなかなか見当たりません。今後は年会費の値上げも俎上にのせる
 ことになると思われますが,会員の皆さまには,引き続き当会の運営にご支援を賜りますようお願い
 いたします。また,当会の研究大会・研究例会・セミナー等,さまざまな行事に積極的にご参加くだ
 さい。
                   * * * * *
 ここに掲げた決算報告,事業計画・予算案の審議と承認は評議員会の役割ですが,会員の皆さんの声
 をできるだけ反映させたいと思います。メールやFAX等でぜひご意見をお寄せください。当会の運営や
 行事についての感想・要望等でも結構です。
 送付先:当会事務局(下記参照)
 送付期限:2019年5月27日(月)必着
 評議員会:2019年6月2日(日)午後開催

 4.事務局への問合せ・連絡など
 入会申込や会費納入その他の問合せは,事務局までメールにてお知らせください。なお,本会ホーム
 ページ(http://www.nal-lib.jp/)に入会申込フォームや行事案内その他の情報を掲載しています。
 事務所には,毎週月・木曜日の13時〜17時に事務局員が常駐しています。直接の連絡はこの時間
 帯にお願いします。ただし,緊急の場合以外はできるだけメールまたはFAX,文書でご連絡ください。
 〒550―0002 大阪市西区江戸堀2―7―32 ネオアージュ土佐堀205号室
 TEL&FAX:06―6225―2530
 E-mail:nittoken@ray.ocn.ne.jp
                              (まつい じゅんこ 大阪芸術大学)


充実した『図書館界』を目指して

編集委員長 前川敦子

 初めて『図書館界』編集委員長を拝命して2年,多くの方のお力をお借りしながら任期を終え,引き続き
 今期も編集委員長を務めることとなりました。初心を忘れず,他の編集委員と力を合わせて皆様の期待に
 応える誌面を目指したいと考えています。どうぞお力添えをお願いいたします。
 以下,本年度の計画等をご紹介します。
 1.《論文》と《現場からの提言》
  『図書館界』(以下『界』)は学術雑誌としての性格と,現場に資する実践・活動や研究の発表の場と
 いう二つの側面を備えています。誌面の最も大きな柱は,査読付き論文誌として図書館情報学の新しい知
 見の発表の場となることであり,会員の皆様からの投稿論文が『界』の核となります。
 投稿論文の枠として,学術的な《論文》と,より実践的な報告・提言という位置づけの《現場からの提言》
 があります。学術活動と図書館現場から生まれる理論や実践をともに重視する本会の特長を示した枠組み
 でもあります。いずれも査読者による評価を経た上で掲載の可否を決定します。
 皆様の積極的な投稿をお待ちしております。
 2.《書評》・《新刊紹介》
  書評や新刊紹介は会員の皆様への重要な情報提供であり,積極的に掲載していきたいと考えています。
 編集委員会から執筆依頼させていただいた際には,ぜひご協力いただければ幸いです。また投稿も受け
 付けていますので,1ページまたは2ページ以内で執筆いただき,編集委員会までご送付ください。なお
 採否の判断は委員会で行わせていただきます。
 3.《エコー》
  会員の皆様の声をお伝えいただく手段として《エコー》を用意しています。原則として1ページまで
 でお寄せください。
 4.特集等
  例年通り,研究大会等の特集も掲載の予定です。また特に必要と認める場合には,上述の種類に当て
 はまらない記事を掲載することもあります。編集委員会までご相談ください。
 5.『界』70巻の報告
  昨年度は50号ごとの企画である400号記念特集号の刊行から始まり,以下の内容でした。
 ・《400号記念特集:図書館・図書館学の発展−2010年代を中心に》文献レビュー論文24本
 ・《特集:第59回研究大会》シンポジウム・パネリスト発表5本,討議,グループ研究発表6本
 ・《特集:2018年度図書館学セミナー》シンポジウム・パネリスト発表3本,討議
 ・《論文》6本
 ・《現場からの提言》1本
 ・《書評》6本・《新刊紹介》7本
 ・《エコー》3本
  特集が3回組まれたこともあり,《論文》の掲載は計6本とやや少なめでした。また《現場からの提言》
 が1本と,近年少なめになっています。実践的な報告・提言の投稿をお待ちしています。
 投稿くださった皆様,また執筆依頼に快く応じてくださった皆様に心よりお礼申し上げます。引き続き投
 稿をお待ちしています。
 6.J-STAGEからのオープンアクセス
  『界』はJ-STAGEをプラットフォームに,51巻(1999)より全文公開しています。刊行後1年以降
 の号はオープンアクセスとしてインターネット上に無料で公開するとともに,個人会員の方には1年以内
 の号も閲覧できるID/パスワードを発行しています。ご不明な場合は事務局にお問い合わせください。
 以上,今年も編集委員一同『界』の内容充実に努めてまいります。よろしくご協力ください。
                           (まえかわ あつこ 滋賀医科大学附属図書館) 

研究委員会の主な事業について

研究委員長 日置将之

 研究委員長に着任して2年が経過しましたが,会員の皆様のご協力と研究委員の力添えにより2018年度
 も事業を無事終えることができました。今年度も当会ならではの研究事業を実施したいと考えておりますの
 で,引き続きご協力をお願いいたします。
  以下,会員間の研究成果の発表・交流・学習等の場として,研究委員会が今年度担当する主な事業をご紹
 介します。
 1.研究大会の開催
  2019年度(第61回)研究大会は,2020年2月〜3月頃に,2日間の日程で開催する予定です。
 例年と同様,1日目は個人会員と研究グループの研究発表を行い,2日目のシンポジウムは図書館に関する
 重要なテーマについて論議を行いたいと考えています。
  大会のお知らせは,本誌71巻3号(9月)に個人発表等の募集を,4号(11月)に大会予告を,5号
 (1月)に正式な大会案内を掲載する予定です。また,本会のウェブサイトやツイッターアカウントにおい
 ても随時ご案内します。
 2.研究例会・特別研究例会の開催
  日常的な研究・活動報告の場として年間7回程度開催しています。会員・非会員を問わず基本的に申込不
 要で参加可能とし,広く開かれた形での開催です。発表に関心がおありの会員はぜひご連絡ください。なお
 研究グループは,研究成果の公開を,研究大会のほか,研究例会での発表で行うことも可能です。
  特別研究例会は,評議員会の日程にあわせて午前中に開催します。本年度は,本号p.72に記載のとおり,
 6月2日(日)に大阪の相愛大学にて石川准氏(静岡県立大学教授)をお招きして開催します。
 3.図書館学セミナーの開催
  図書館学セミナーは,時流に沿った関心の高いテーマを設定して討議する場として開催しています。今年
 度は,10月か11月に1日の日程で開催する予定です。詳細は,71巻3号(9月)にてご案内します。
  なお,このセミナーについては,日本図書館研究会の財政状況逼迫に伴い,今後の継続開催の可否や実施
 方法の変更等について現在検討しています。2020年度以降には何らかの変更が生じる見込みですので,
 その際にはまたお知らせいたします。
 4.グループ研究への助成
  会員の皆様は,地域又は研究テーマごとに研究グループを組織することができます。また,会員7名以上
 から構成される研究グループについては,研究委員会で審査し,理事会での承認を得た上で,原則として年
 3万円を2年間にわたり助成しています。助成を受けた研究グループには,研究大会や研究例会,本誌誌上
 などでの研究成果の報告をお願いしています。研究グループの参加は全ての会員に開かれていますので,既
 存研究グループへの参加や新たな研究グループの結成については,各研究グループの連絡先や研究委員会に
 ご相談ください。
 5.お願い
  研究大会・例会等のテーマや発表者についてご希望がありましたら,研究委員会までお知らせください。
 また,研究大会・例会等の講師のお願い・会場提供のご相談をさせていただくことがありますので,ご協力
 のほど,よろしくお願いいたします。
  研究活動の伸展には会員の皆様のご指導が必要不可欠です。引き続き,皆様のご協力をお願いいたします。
                             (ひおき まさゆき 大阪府立中央図書館)

図書館研究奨励賞を若手・中堅の書き手へ

図書館研究奨励賞選考委員会委員長 前川和子 担当理事 常世田良

 『図書館界』には,ベテラン,中堅,若手が,各々の専門分野,様々な立場の問題意識をもち,成果物として
 投稿し査読の後にそれらが掲載されています。
  当研究会の図書館研究奨励賞選考委員会は,機関誌『図書館界』に掲載された「論文」と「現場からの提言」
 を対象に,図書館研究奨励賞を授与しています。その日は,毎年開催される研究大会の第1日目で,表彰状と
 副賞10万円が授与されます。
  賞の対象となる掲載期間は3号から過去2年間で,2019年度は,2017年11月号(69巻4号)か
 ら2019年9月号(71巻3号)に掲載された「論文」と「現場からの提言」を書いた若手あるいは中堅の
 方が対象となります。(本賞の詳細につきましては,本研究会ホームページ「図書館研究奨励賞」をご参照く
 ださい)。
  この賞は,故森耕一理事長の基金から始まりまして,1990年が第1回でした。当選考委員会は,本誌の
 査読を経て掲載された若手あるいは中堅の中から,学術論文としての質と当該研究分野の発展性から,さらに
 期待できる方にこの賞を授与しています。授賞によって,図書館・図書館情報学発展のためにさらに研究を続
 けて頂くことを望んでいます。あるいは「現場からの提言」がもつ実践から理論への道を応援したいと思いま
 す。
  実際に受賞された方々のその後のご活躍は,素晴らしいものです。この賞によって自信と確信を得て,新た
 な研究への道を邁進されることを期待しています。
  この賞は,担当理事をはじめ,内外の選考委員によって選考委員会を組織していますが,それ以外に会員の
 皆さまのご参加も呼びかけています。会員全体の関心を集め,図書館および図書館情報学の新しい書き手を見
 出すというシステムをもっています。今年も第4号(11月号)に「日本図書館研究会図書館研究奨励賞選考
 にご参加ください」の見出しで,会員の皆さまの選考への参加(ご推薦)を募集します。さらにユニークな点
 は,「推薦」を「自薦または第2以下の共著者による推薦を含む」と広げているところです。もちろん「自薦」
 は,当委員会内の秘匿です。締め切りは12月の中旬を予定しています。日頃から機関誌をお読みになってい
 る中で,会員の皆さまのご推薦を頂き,より選考が盛り上がることを期待しています。
  この奨励賞が,受賞者にとってはもちろん私達会員にとっても,図書館・図書館情報学の未来を切り開くこ
 とに繋がると信じたいと存じます。
                  (まえかわ かずこ 前大手前大学)(とこよだ りょう 立命館大学)

ブロックセミナー開催のお誘い

ブロックセミナー担当 川ア千加 山口真也

  日頃,遠方まで研究会などに参加したくても行けない,という会員の方も多いかと思います。各地域で気軽に
 足を運んで,地元で図書館をテーマに議論できる場を設けたい。最新の研究成果に接することができる講演会を
 開催したい。地域の図書館活動の実践や,地元の図書館員の研究成果を発表する機会を設けたい。ブロックセミ
 ナーは,こうした要望に応えるために,各ブロックの会員の申し出によって開催されます。開催にかかわる経費
 は,原則として全額を日本図書館研究会が負担します。
  2018年度は宇都宮(関東地区)で「公共図書館と学校図書館のこれから:図書館づくりの課題と展望」(講
 師:塩見昇氏)と題するブロックセミナーを開催し,多くの参加がありました。ブロックセミナーは会員の最も
 身近なセミナーです。また,セミナーの開催は各地での会員の交流を深めていただく機会ともなります。ブロッ
 クセミナーを通じて各ブロックにおける日本図書館研究会の活動が活発になることを期待しています。
 企画については担当理事の川ア・山口にご相談いただくか,下記の事務局あてご連絡ください。
  連絡先:日本図書館研究会事務局
  電 話:06―6225―2530(月・木曜13時〜17時)
 E-mail:nittoken@ray.ocn.ne.jp
            (かわさき ちか ノートルダム清心女子大学)(やまぐち しんや 沖縄国際大学)

過去の事業計画等