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2011年度
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日本図書館研究会研究例会(第282回)報告
日時:
2011年7月22日(金)
19:00〜21:00
会場:
大阪市立難波市民学習センター
発表者 :
藤澤和子氏
(京都府立南山城支援学校)
テーマ :
知的障害や自閉症の人たちへ わかりやすさを提供する図書館サービス:図書館利用案内のLL(やさしく読める)リライト
参加者:
10名
LLとは,スウェーデン語「Lattlast:ラートラースト」の略。知的障害,自閉症,読み書きなどの読書が困難な人たちも読めるという意味がある。
先ごろ,藤沢さんが中心になり,公共図書館の図書館利用案内のLLリライトを行った。LLリライトとは,読者の読む力に合わせて,わかりやすく読めるようにテキストを書きなおし,レイアウトを工夫すること。そのことにより,すべての人が,必要な情報を得ることができる。作成したメンバーの中には,知的障害のある人3名もいた。その利用案内は大阪府富田林市立図書館,京都府精華町立図書館で活用されている。
例会では実際に参加者がLLリライトを試みた。気をつける点は,
1つの文には1つのことを盛り込む。
手順のある事柄は,番号を付けて順番に詳しく。
当たり前のことでも,当事者にとって必要だと考えられることは入れる。
嫌な気持ちになる失礼な言い方はしない。
難しくて不要と考えられる文は削除する。
ピクトグラム(図)や写真は有ったほうが分かりやすい。
などである。
スウェーデンには「LL図書センター」がある。1960年代設立,国家予算と出版などの利潤で運営されている。出版される本は1年間に30冊。その他,ニュース情報やLLリライトなどもしている。スウェーデンに比べると日本ではLL出版はかなり遅れている。
知的障害,自閉症の人にとって,「読める本」は限られている。生活年齢に応じた興味ある本は読めないことが多い。
図書館がそれらの人々に対してできることは,
LLブックを備える。
知りたいことが載っている新聞,本,雑誌,冊子の一部についてLLリライトを行う。
朗読代理人(やさしい文や言葉で読んであげる人)による支援をする。
などである。
(記録文責:村林麻紀 八尾市立八尾図書館)
Copyright(C) 1997- 日本図書館研究会(Nippon Association for Librarianship)
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