TOP > 大会・研究会等 > 研究例会 > 2010年度 > / Update: 2010.12.31
本発表では,提供開始から約4年が経過した遠隔研修の概要や現状,今後の課題等について報告した。
国立国会図書館(以下「NDL」)の研修事業は,人的資源である図書館員に対する支援を行うことで,図書館の活動をサポートすることを目的としている。研修形態には,「集合研修」,「遠隔研修」,「レファレンス業務に係る研修への講師派遣」の3種類があり,研修内容はNDLの所蔵資料や蓄積された業務経験・技術を生かしたものが中心となっている。
近年,図書館員が職場を離れて研修に参加することが,様々な要因により困難になりつつある。このため,実施場所がNDLに限定される集合研修だけでは,図書館員に十分な受講機会を提供できない状況となっていた。本発表のテーマである遠隔研修は,このような状況を背景として,時間的・空間的・予算的制約を緩和した形で研修を受講してもらうために開始したものである。
遠隔研修では,以下のコンテンツを提供している。
遠隔研修では,受講者の学習効果を高めるために以下のような工夫をこらしている。
平成18年から21年までの受講者数の合計は,3,105人となっている。受講者の属性については,大学図書館が64%で最も多くなっている。公共図書館は18%,専門図書館は8%となっていることから,大学図書館員の受講が圧倒的に多い状況にある。
平成18年から21年までの受講実績については,「100%受講」が72.1%,「未着手」が10.7%となっている。満足度については,多くの受講者が「満足」「やや満足」と回答しており,この二つを合計すると約85%となっている。
受講統計で触れた「未着手」の割合については,少しでも減らしていきたいと考えている。既に述べたように,チアメールや修了証書の発行など,受講を促すような工夫はしているが,さらに効果的な方法を模索していく必要があると考えている。
新規コンテンツの開発については,今後も継続する予定である。また可能ならば,eラーニングの最新技術を積極的に活用し,今まで以上に効果的な研修を提供できるようにしていきたいと考えている。
参考:国立国会図書館遠隔研修ポータル http://ndl.secure.force.com/
(記録文責:日置将之)