日本図書館研究会評議員会報告
- とき
- 2013年6月2日(日)13:30〜16:30
- ところ
- 京都大学
- 議題
- 1) 2012年度事業報告
2) 2012年度決算報告
3) 2012年度監査報告
4) 2013年度事業計画案
5) 2013年度予算案
- 議長
- 日置将之(大阪府立中央図書館)
審議の概要
川崎理事長の挨拶の後,議長に日置将之氏を選出して審議を行った。その概要は以下のとおり。
0)2013−14年度役員選挙について(選管委員長)
1) 2012年度事業報告(事務局長)
会員の動態は,入会(個人29名,団体2件),退会(個人48名,団体17件)である。2012年度末の会員数は783名で,前年同期より19名の減となった。主な活動として,『図書館界』第64巻の発行,第54回研究大会,図書館学セミナー,九州および東北のブロックセミナーの実施などである。
2)2012年度決算報告,および 3)2012年度監査報告
(いずれも『図書館界』65巻1号参照)を提案
決算報告は事務局長,監査報告は塩見監事が報告。
質疑と意見
*(評)は評議員,(理)は理事,(監)は監事を指す
- (評)役員選挙の投票期間が投票用紙が送られてきてから間があいており投票を忘れる人がいる。
- (理)確認して必要なら次回選挙で改善したい。
- (評)『界』の「最前線」の原稿は依頼原稿か?それとも投稿原稿か?また依頼者はすべて会員か?
- (理)「最前線」もその前の「構造転換期」もすべて依頼原稿である。依頼者には非会員もいる。
- (評)非会員が原稿を書くと言うことは,会員には書き手がいないということか?
- (理)内容に適した方を選んだ結果が非会員だったと言うこと。その都度考慮しながら選んでいる。
【決算・会計監査報告等】
- (評)会費の未納率はどの程度か?また具体的にどのように処理しているのか?
- (理)未納率は算出していない。処理としては,数回督促した上で,3月末までに前年度の入金がないと雑誌の送付をストップし,さらに電話等で督促している。夏頃までに入金がないと除籍処分となる。
- (評)学生会員は3名とのことだが,会費は6分入金されている。
- (理)前払いで2年分支払われた。3人とも院生である。
- (評)学生会員が3人というのは少ないと思う。教員がもっと勧誘する必要がある。
*2012年度事業報告,2012年度決算報告および2012年度監査報告を全員の賛成で承認。
4) 2013年度事業計画案
(『図書館界』65巻1号参照)を事務局長が説明。
5) 2013年度一般会計予算案,同特別会計予算案,同第2特別会計予算案
(『図書館界』65巻1号参照)を事務局長が説明。
質疑と意見
- (評)去年の図書館学セミナーは現場職員にとって興味あるテーマだった。ただ日程が他のセミナーと重なった。現場職員が早いうちに日程が分かればよい。また他と重ならないような配慮もして欲しい。
- (理)日程は重ならないように配慮しているが10月11月は難しい。今年度については10月19日(土)に甲南女子大学で「中小レポート」50年に沿ったものを予定している。
- (評)研究グループ助成について,当該年度残金が出た場合の取扱は?できれば残金がでた場合に次年度に持ち越せるようにして欲しい。
- (理)未検討なので,解説を『界』に掲載するときに回答したい。
- (評)入会申込書について,ウェブフォームを使って直接書き込み出来るようにしてはどうか。
- (理)担当で検討したい。
- (評)日図研らしさについて理事会でも取り上げて欲しい。誌上討論のような他の団体では取り上げないようなものが魅力としてあったと思う。
- (監)通信費が努力して8万が7万になったと報告されていたが,予算はまた8万に戻っている。
- (理)7万が継続できるか一抹の不安があったので今年度は8万にした。この一年の様子を見て次年度は検討したい。
- (評)雑収入で事務所使用料とあるが,使用料とか稼働率を知りたい。
- (理)半日2000円で他団体の会議用に貸している。現在は月に1回程度の利用となっている。
- (評)CiNii使用料が今後どの程度伸びると推測しているのか?
- (理)最新の2年間分の使用料なので,年間2,3万円あればと考えている。
- (評)個人会員の会費収入が810人分と意欲的だが,個々の会員が頑張って目指すと理解して良いか。
- (理)前納という原則を徹底していきたい。
*2013年度事業計画案,2013年度一般会計予算案,同特別会計予算案,同第2特別会計予算案は,いずれも全員賛成で承認。
主要な意見および情報交換
- 直営の図書館は司書率が低く,研修への参加も低い。指定管理の図書館は司書率が高く,離職率も低いので向こうの方がプロという状態になっている。協力業務についてもきちんと理解している。
- T市の図書館の第一印象は書店さんで,従来の図書館のイメージの図書館ではないと思う。新刊書と雑誌はT書店で買って下さいというシステムである。
- これは図書館という制度そのものが壊れているということではないか。T市では住民が無料で読める制度が壊れている。
- 岡山のように指定管理がない図書館もあるが,直営が良いという直営館からのレポートが出てこなくて,派手な指定管理の方が目立っている。もっと直営館からのレポートを出すべきだと思う。
- 上海市図書館学会ではポスターセッションはあるのか?
- 中国は最後までプログラムがわからないが,これまでポスターセッションを中国で見たことはない。
- 出版事業で売れる本を出すのは難しいと思う。日図研の活動に役立つ本であれば売れなくても良いのでは。セミナーや研究グループの研究成果をまとめた本の方が日図研のためになると思う。理事会で検討いただきたい。
- 沖縄は小さい自治体が多く指定管理を入れるメリットもほとんどなく導入館も1館しかない。司書の採用については沖縄はきちんとある。学校図書館の正規の司書が退職する時期でもあるので採用は多い。ただ大学図書館は司書の採用をしていない。司書の養成をしている大学で司書採用がないのはおかしい。
- 私の大学でも以前は司書採用されていたが,最近は外注委託となり他の部署に異動していく状態である。
- うちの大学も司書は少しいるが司書としての採用はない。前にいた大学も職員30人のうち20人が司書だったが,今は半数が委託になっている。大学に悲惨な状況だと訴えたら司書資格を取った人が採用された。
- 学校図書館にいたが,公共図書館の民間委託も厳しいが学校図書館も厳しい。学校図書館では専任専門の学校司書という考え方は弱く,非常勤で2校掛け持ちという状態。日図研でも学校司書のことを実践的にも理論的にも深めていく必要があると思う。
- 司書課程修了者の門戸が非常に狭い。学生を指定管理や窓口委託の会社に入らせるか,それとも図書館を諦めて泣く泣く他の会社に就職させるのが良いのか?それと指定管理で司書が長くいるのと,直営だが人が不安定の場合,住民はどう考えているのか?新潟で非常勤の学校司書が蔵書を売って生活費に充てていたが,学校図書館界ではどう受け止めているのか?
- 司書資格を取っても図書館に就職できないから指定管理でということもあるだろうが,図書館学の理想を追求してもらいたい。
- 新潟の学校図書館は正規職員が置かれていたのに,今は非常勤になっている。今回の問題は勝手に備品を処分できないはずなので,学校の管理体制の問題だと思う。
- 折角なので明るい話題を。大阪府,岡山県,滋賀県の彦根市と草津市でも司書採用がある。
出席者
- 《評議員》
- (東北)加藤孔敬,(関東)小黒浩司,迫田けい子,呑海沙織,(東海)田中敦司,山本昭和,(近畿)赤瀬美穂,川崎千加,日置将之,村上泰子,脇坂さおり,渡邉斉志,(中国)田井郁久雄,永井悦重,(四国)松村信子,(九州)永利和則,山口真也
出席17人 委任状提出7人 計24人[評議員定数25人,成立要件13人以上]
- 《理事長》
- 川崎良孝
- 《事務局長》
- 前田章夫
- 《理事》
- 赤澤久弥,狩野ゆき,岸本岳文,木下みゆき,寒川登,志保田務,高鍬裕樹,谷嶋正彦,前川敦子,松井一郎,松井純子,南亮一,山本順一
- 《監事》
- 伊藤昭治,塩見昇,西村一夫
- 《選挙管理委員長》
- 垣口弥生子
- 《事務局》
- 松井宏
(文責:事務局)