日本図書館研究会評議員会報告
- とき
- 2004年5月30日(日)午後1時30分〜午後5時
- ところ
- 京大会館
- 議題
- 1) 2003年度事業報告
2) 2003年度決算報告
3) 2003年度監査報告
4) 2004年度事業計画案
5) 2004年度予算案
6) 意見交換
- 議長
- 田中敦司(名古屋市鶴舞中央図書館)
審議の概要
塩見昇理事長のあいさつの後、議長に田中敦司氏を選出し審議を行った。その概要は以下のとおり。
1) 2003年度事業報告
「2003年度の会員の動態」は、 入会(個人64名, 団体3件)、退会(個人78名, 団体18件)で、個人退会者64名のうち2003年度会費未納による除籍者は26名。3月末現在の個人会員数は978人、団体会員数は500団体。『界』定期購読は233件。
質疑と意見
- 2003年度の研究大会シンポジウムについて議論がかみ合っていなかったのではないか。
- 公共、大学、学校とシンポジウムで常に館種を網羅する必要があるのか。
→研究委員会としては、各発表自体はすぐれたものであったと判断している。パネラーの数が多く、十分な論議ができなかった感は否めない。
2) 2003年度決算報告
『界』56巻1号掲載の内容を承認。
3) 2003年度監査報告
『界』56巻1号掲載の内容を承認。
質疑と意見
- 決算の「会費」の「備考」のところだが、現在の会員に対する納入率をむしろ記載すべきではないか。
→現在は当年度に納入された総額を示すということで、従来の方式を踏襲している。ご意見として検討したい。
- 「雑誌刊行費」が予算に約50万円とどいていないが、会員は会費を払って主に雑誌を購入しているのであり、機関誌の充実にいっそうの努力を期待する。
→03年度については約40ページ分の予算が余ったことになる。あらゆる投稿論文を掲載できるわけでもないので、結果として、このような状態は起こりうる。ただ、この点については理事会でも問題になり、今後はいっそう編集委員会を中心に努力していきたい。
- 会員減については、どのように考えているのか。
→以前に日図研会員の年齢構成・地域分布など調査をしたことがある。そのときから年齢構成が高いことを認識し、若い人の入会が今後の日図研の活動にとって重要になると判断していた。03年度の入会者数64名というのは例年と比べて決して低いわけではないが、退会者が予想を上回った。事務局として入会者を年60名から80名あたりに上げる必要があると考えている。一方、雇用関係からして、若い人がどんどん入会するという状況になく、会の運営の基盤として、会員獲得には組織担当、理事会、評議員会などのメンバーの積極的取り組みがかかせない。
- 『界』に書くのは特に現場の図書館員にとって、身構える。
- 実践紹介など現場をふまえて若い人にも書いていただく必要がある。
4) 2004年度事業計画案
『界』56巻1号掲載の原案を決定。
5) 2004年度予算案
『界』56巻1号掲載の原案を決定。
質疑と意見
- 『界』で特集した「子どもの読書環境を考える」について、小冊子のようなものを作成して普及を考えてはどうか。
- 会員および購読者の拡大について、『界』は最も重要な広報媒体にもなるので、よい雑誌を作るようにいっそうの努力を期待したい。
- 会員からのはがきに意見が表明されているように、学校図書館をもっと重視すべきであろう。
- 個別的な図書館の実践や動向の欄を『界』に設けることを具体的に提案したい。
→編集委員会・理事会などで検討したい。
- 日図研の性格や目的からして、学術論文だけでなく実践に即した研究・論文を多く載せるように望む。
- ブロック・セミナーだが、同じブロックで連続して行ってもよいのか。同一ブロックで場所を違えて2回行うことになってもいいのか。
→なるべく多様なブロックでの開催を考えているが、予算の枠内で柔軟に対応していきたい。
- 九州ブロックは開催を重ねているが、なるべく同じ県で行わないように配慮している。
- ブロック・セミナーでの参加者の数について、何か基準があるのか。
→人数を特に意識してはいない。参加者は多いにこしたことはないが、30人でも50人でもよい。
- 予算案の「役員選挙費」が特別会計に入っているのは違和感がある。経常的経費として一般会計に入れるべきではないか。
→ご意見の趣旨は理解できるが、隔年に相当の金額が必要となる事業であり、一般会計の年度での変動を避けるための現実的な運営方針とご理解いただきたい。
- 『図書館資料の目録と分類』について、別冊の本体への組み込みと増し刷りには賛成だが、目録規則の修正が具体化しており、それとのかかわりを意識する必要がある。
→その点は承知しているので、増し刷りの時期と部数については慎重を期したい。
- 特別会計の「上海市図書館学会との交流費」50万円の根拠を知りたい。
→今回は図書館学セミナーで上海へ3名を派遣する。中国内は上海側が担当するが、往復の飛行機代などは日図研が持つ。それについて1人10万円とみて、30万円を計上した。さらにセミナーにまつわるさまざまな出費、および上海『図書館雑誌』の翻訳にまつわる出費などを見込み、50万円を計上した。
- 研究グループ助成予算47万円については、各グループ一律なのか、また報告などはどのようになっているのか。グループへの参加などをもっと『界』で周知する必要がある。
→研究グループは2年間に1回の申請で3万円の定額補助を基礎に、研究委員会は研究計画書の内容によって額を判断している。今年度は現在の10グループに43万円を補助する。各研究グループは研究大会、『界』などで、報告の義務があり、それは遵守されている。研究グループへの参加は会員に開かれており、『界』やホームページで広報しているが、よりいっそう周知に向けて努力したい。
6) 意見交換
- 入会者を来年までに1人でも獲得するように努力していきたい。
- 市町村合併と図書館について、図書館の基本を考える論考が必要である。
- 評議員の方々が寄稿するページがあってよい(自館や周辺の情勢や活動報告など)。
[その他]
- 図書館は市役所のなかでは末端になり、もっとPRする必要がある。
- 市町村合併のなかでも、図書館は忘れられがちな存在である。
- 大学も住民に開かれた大学を重視しており、図書館調査なども、大学に企画を持って行くと積極的に調査などに協力してくれる。
- 著作権問題、東京都立図書館の変質動向、住民基本カードと図書館の関係などが話題になった。
出席者
- 《評議員》
- (北海道)森昌彦、渡辺重夫、(関東)小田光宏、斎藤文男、迫田けいこ、山本順一、(東海)小木曽真、酒井信、田中敦司、(近畿)井上靖代、佐藤毅彦、深井耀子、前川和子、村岡和彦、脇坂さおり、(中国)田井郁久雄、西尾肇、(四国)新孝一、(九州)永利和則
委任状提出 7件
[評議員定数 28名.成立要件 15名以上]
- 《理事長》
- 塩見昇
- 《事務局長》
- 川崎良孝
- 《理事》
- 飯田寿美、伊藤昭治、北克一、寒川登、柴田正美、志保田務、西村一夫、吉田憲一、渡辺信一、渡邊隆弘
- 《監事》
- 武内隆恭、 西田文男
- 《事務局》
- 遠藤真次郎、塩見富江