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2005年9月19日(月・祝)午前10時30分から午後4時まで長崎県諫早市立たらみ図書館で開催された九州ブロックセミナーには,九州各県から学校・公共図書館・大学の関係者,ボランティア,市民など100名を越す参加者がありました。
まず,種村エイ子評議員が開会のことばを述べ,志保田務理事が挨拶しました。今回の研修会のテーマには「図書館をめぐる現代的課題」を取り上げ,特に,(1)指定管理者制度を中心にこれからの公共図書館のあり方,(2)学校図書館が抱えている問題とそこに関わる人や機関との協同・連携,の2点を講演とシンポジウムで明らかにするという趣旨でした。
午前中は,東京学芸大学教授の山口源治郎さんが「図書館をめぐる現代的課題」と題し,基調講演を行いました。吹き荒れる「改革」の嵐と市民の図書館に対する新しい要求の中で導入されている指定管理者制度の問題点や行政の果たすべき責任を示しながら,これからの公立図書館のあり方を必要性や公共性の面からどのように描いていくのかを述べられました。
昼食後は,たらみ図書館の職員のみなさんが図書館のいたるところに立って,参加者に館内の説明をして下さいました。
午後からは,鹿児島国際大学短期大学部助教授の種村エイ子さん,長崎県立長崎図書館司書の田浦知子さん,長崎県立長崎明誠高等学校司書教諭の田中光一さんをパネリストに,山口源冶郎さんのコーディネイトでパネルディスカッションを行いました。
まず,種村エイ子さんが「生きる力をはぐくむ図書館活動のために−子どもの読書推進のために学校図書館の課題を探る−」というテーマで,子どもと本の出会いを演出している学校図書館や公共図書館の歴史と現状についてお話をされました。次に,田浦知子さんが,県立長崎図書館での日常業務から市町村立図書館を通しての間接的な市町村立の小・中学校図書館へのサービスや,直接的な高等学校への働きかけなどを述べられました。最後に田中光一さんが,長崎明誠高等学校で司書教諭として取り組まれている実践や,九州地区学校図書館研究大会長崎大会のスタッフの一員として様々な学校図書館関係者と交流される中で感じられたことなどを報告されました。そして,会場からは「家庭・学校・公共図書館で読書意欲をどう育てるか」「学校図書館が公共図書館に何を求めているか」などの質問が各パネリストに出されていました。
今回,参加者のうち58名からアンケートの回答をいただきましたが,全員が「大変良かった」「良かった」という結果でした。自由意見では,「図書館を取りまく状況がよくわかりよかった」「質の高い研修会に無料で参加させていただき嬉しい」「様々な立場で図書館(本)に関わる方の話が聞けてよかった」など,多くの方から好評な意見をいただきました。
最後になりましたが,祝日で休館日にもかかわらず出勤していただき,職員研修の一環として全面的にご協力をいただきました,たらみ図書館の職員のみなさんに感謝を申し上げます。
(文責:永利和則 小郡市役所・九州ブロック評議員)