ルイーズ・S.ロビンス著 川崎良孝訳
『検閲とアメリカの図書館 :知的自由を擁護するアメリカ図書館協会の闘い,1939-1969年』
1998.9,324p.
本体価格6,000円
概要
知的自由、図書館の自由についてまず読むべきアメリカの本は、訳者の手になる『図書館の原則:新版』(日本図書館協会,1997年)です。
本書『検閲とアメリカの図書館』は、『図書館の原則』の理解を深めるのに最適の書です。高度に抽象化さ れた『図書館の権利宣言』や多様な声明文が、いずれも生々しい社会的背景、具体的 な検閲事件のみならず、アメリカ図書館協会内での対立と妥協の結果の産物であることを、本書は豊富な資料、個人的な手紙、さらにインタビューをも交えて、解明しています。
また本書はアメリカ図書館協会の主張に視点を置いたオーソドックスな研究書です。こうした基本的な研究書があって初めて、ゆらぎの研究や個別実証的研究が意味を持ってきます。御一読下さい。
目次
- はじめに
- 略語一覧
- 序文
- 第1章 静かに騒がず:1939-1948年
- 第2章 禁書と魔女狩り:1948-1952年
- 第3章 思想が実践と出会う:1952-1960年
- 第4章 口約束では不十分:1960-1969年
- 第5章 図書館員のイデオロギー
- 付録 A−E
- 注・参考文献・訳者あとがき・索引