TOP > 『図書館界』 > 66巻 > 5号 > / Last update: 2014.12.28
本稿は,アメリカで最も重要な東南アジアコレクションの一つであるコーネル大学図書館ジョン・M. エコルス・東南アジアコレクションの分析を通して,冷戦下におけるアメリカの学問の進展と大学図書館の役割について考察することを目的としている。冷戦下における学問の発展については,冷戦終了以降数多くの批判的検討がなされてきているが,図書館という学術情報基盤を通した考察はほとんど見当たらない。本稿では,第2次世界大戦後からベトナム戦争期にかけて東南アジア研究発展の経緯を俯瞰した後,ジョン・M. エコルス・東南アジアコレクションの設立と発展の経緯を辿る。
(きたむら ゆみ 京都大学附属図書館)