TOP > 『図書館界』 > 65巻 > 5号 > / Last update: 2014.1.8
イングランドの10大学図書館を対象に,現在の特別支援に至る形成過程の特徴を明らかにする。図書館員14名,大学の障害サービス担当職員5名,IT担当職員1名を対象に,半構造化面接データをもとに時系列分析を行った。結果として以下のことがわかった。1995年の法制化以降,特別支援が開始された。ただし,特別支援が組織化される前に図書館員個々の支援が下地となっている。第1ステージは,通常の図書館業務を工夫して特別なニーズをもつ学生が直接,図書館を利用ができる手だてがなされた。第2ステージはより,連携を軸に個のニーズに応じた支援を行うための手だてがなされた。第3ステージは,インクルージョンを具現化した支援がなされている。
(まつど ひろよ 佛教大学教育学部)