TOP > 『図書館界』 > 61巻 > 1号 > / Last update: 2009.5.17
フランスでは,司書の身分が法律上明確に規定されている一方で,県立貸出図書館の運営は多くのボランティアに依存していることが知られている。本論の目的の1つは,フランスの県立貸出図書館がボランティアに依存することとなった背景や,それらボランティアの同国における位置づけを探ることである。また,フランスでは,地方分権政策の下,公共の図書館の権限が,それぞれの地方公共団体に移譲されていく情況下,むしろそういう情況下にあるからこそ全国的な統制を確保するための作業が実施されている事実を示し,その意義を検討する。
(やくしいん はるみ 金城学院大学文学部)