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《論文抄録》
『図書館界』51巻4号 (November 1999)

新聞社・出版社による図書館活動の展開
−地方読者への「非来館型サービス」提供の試み−

永嶺 重敏

婦女新聞社や東京日日新聞社をはじめとする新聞社や出版社は,明治から大正にかけて一連の図書館活動を展開するが,この活動はあるユニークな特徴を有していた。それは,通常みられるような直接来館者への閲覧サービスではなく,郵便による非来館者へのサービスを指向していた点である。
具体的なサービス活動としては,(1)郵便による貸出,(2)読書会事業,(3)巡回文庫の3形態が実施されていた。その展開過程をたどり,さらに,サービス対象となった地方読者の視点から,その持つ意味を考察した。