《論文抄録》
『図書館界』51巻5号 (January 2000)
有料制論議をめぐって
岸本 岳文
1998年に出された生涯学習審議会専門委員会の報告は,図書館法第17条の解釈をめぐって論議をよぶものとなった。これまでの公立図書館の無料原則の適用範囲と有料制の枠組みに関する論議を振り返ることで,無料原則が図書館の本質的機能との関わりにおいてどのように捉えられてきたのかを確認する。そして,今回の報告で具体的に提示された経費負担についての問題点を図書館資料についてと地方分権という側面から検討することで,公立図書館の現場に投げかけられた課題がどこにあるのかを考える。