《論文抄録》
『図書館界』49巻2号 (July 1997)
図書館理論形成の方法
−図書選択論を中心に−
前川 恒雄
図書選択論に関し、河井弘志氏の所論への批判を通じて、前川の図書館論形
成の方法を具体的に述べる。
それは現実の図書館業務、なかんずくその変革の過程の中からの理論化であ
り、つくられた理論は現実によって試され、それに耐えた理論が、さらに現実
を改革する力となる。
そのために、図書館の現場で、利用者と図書館員との相互作用の場を自覚的
に設定し、双方の他への影響によってともに高まる回路をつくりだす。また理
論化のためには、その方法・論理がなければ新しい理論を作ることはできない。