TOP > 大会・研究会等 > 研究大会 > 2005年度 / Last update: 2006.1.31
2005年度日本図書館研究会研究大会を下記により開催いたします。
今年も例年どおり,第1日目に個人研究発表とグループ研究発表を行います。今年度はご発表のお申込みが多くありましたので,当会としてははじめての分科会形式を取り入れた運営になります。
第2日目には「多様化する図書館運営」をテーマに,5人のパネリストの方々とともにシンポジウムを行います。
本大会に、会員はもとより、多くの方が参加されますよう期待しております。
2006年2月19日(日) |
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受付(会場:聖トマス館001教室) | 10:00〜 |
開会挨拶(理事長 塩見昇) | 10:30〜10:40 |
司会:渡邊隆弘,村林麻紀ほか(研究委員) | |
会場A(聖トマス館001教室) 個人発表(報告15分・質疑5分)/グループ発表(報告25分・質疑5分) |
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1.「録音図書のデイジー化における利用者のニーズについての考察」 立花明彦(静岡県立大学短期大学部) | 10:45〜11:05 |
2.「CIPA合憲判決とCOPA違憲判決の検討:情報を止める位置について」 高鍬裕樹(大阪教育大学) | 11:10〜11:30 |
3.「「レファレンス」をめぐって:省令科目内の位置づけの再検討を中心に」 図書館奉仕研究グループ(志保田務) | 11:35〜12:05 |
会場B(聖トマス館002教室) 個人発表(報告15分・質疑5分) |
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1.「電子ジャーナルの長期保存と3つのアプローチ― 集中アーカイブ、分散アーカイブ、そして機関リポジトリ? ―」
後藤敏行(東北大学附属図書館) | 10:45〜11:05 |
2.「情報リテラシー科目のeラーニング化と図書館の役割」 小松泰信(大阪女学院大学) | 11:10〜11:30 |
3.「市民が作る子どもの読書環境」 鈴木嘉弘(掛川市子どもの読書活動を考える会) | 11:35〜11:55 |
<昼食・休憩> | 〜13:10 |
午後会場(聖トマス館001教室) グループ研究発表(報告25分・質疑5分) |
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1.「セマンティックWebと資料組織法:概念体系管理の今後」 整理技術研究グループ(渡邊隆弘) | 13:10〜13:40 |
2.「図書館職員養成課程のFD」(仮題) 図書館学教育研究グループ (柴田正美) | 13:40〜14:10 |
3.「少年院内図書室についてのアンケート」 児童YA図書館サービス研究グループ(脇谷邦子) | 14:10〜14:40 |
<休憩> | 14:40〜15:00 |
4.「科目「情報検索演習」の調査とその検討;試行」(仮題) 情報システム研究グループ(藤間真) | 15:00〜15:30 |
5.「オープンソースと図書館システム―導入への評価モデル―」 「マルチメディアと図書館」研究グループ(村上泰子・北克一) | 15:30〜16:00 |
6.「平野勝重氏インタビュー報告」(仮題) オーラルヒストリー研究グループ (奥泉和久・小黒浩司) | 16:00〜16:30 |
その他報告等 | |
図書館研究奨励賞報告 | 16:30〜 |
会務報告 | |
交流会 | 17:10〜 |
2006年2月20日(月) 会場:聖トマス館001教室 |
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テーマ設定の趣旨(研究委員長:寒川登) | 10:00〜10:10 |
司会:志保田務,木下みゆき(研究委員) | |
パネリスト報告 | |
1.山口源治郎氏(東京学芸大学) | 10:10〜11:10 |
2.寿初代氏(和泉市立図書館・前) | 11:10〜11:30 |
3.清水昭治氏(堺の図書館を考える会) | 11:30〜11:50 |
4.西野一夫氏(川崎市立中原図書館) | 11:50〜12:10 |
<昼食・休憩> | 12:10〜13:10 |
5.中嶋哲彦氏(名古屋大学) | 13:10〜14:10 |
討議 | 14:10〜16:40 |
図書館法にもとづく「望ましい基準」が示されて4年,図書館をとりまく社会の状況は大きくかわろうとしている。この基準は図書館の運営は公立であることを前提としてつくられ,公の行うべきサービスとして公立図書館の一層の整備・充実の努力義務を自治体に課している。そこでは,図書館未設置問題の克服が述べられ,図書館サービスの数値目標の設定に努め,その達成状況の点検をするとともに,そのことの住民への公表,そして豊かな図書館サービスの展開などを行うことが盛り込まれている。ここには公の直営以外の図書館の運営形態は想定されていない。
しかし,この7月に公開された「これからの図書館の在り方検討協力者会議」の議論概要によれば,これからの図書館サービス実現のために必要な取組のひとつとして,「管理運営の形態」についての項目があげられ,直接的・具体的な表現は避けながらも直営以外の運営方法の検討の重要性について言及している。
これらの議論の変化の背景には,本年3月に総務省が策定し,各地方公共団体に通知した「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」(「新地方行革指針」)がある。この指針では,社会経済情勢の変化への適切な対応が求められているとして,一層の行政改革の推進を図ることとし,その主要な内容として,1)民間委託等の推進,2)指定管理者制度の活用,3)PFI手法の適切な活用,4)地方独立行政法人制度の活用等々の施策が掲げられている。
こうした状況のなかで,図書館現場でも管理運営の内容をめぐっていま岐路にたたされている。「望ましい基準」で達成しようとした図書館サービスの内実がどのようにすれば実現できるのか,そのこととの関係で「管理運営形態の多様化」という内容はどのようなものなのか,様々な角度から論議し,住民から求められる図書館サービスの実現のための方策を探りたい。
このため,今回のシンポジウムでは5人の方々に報告をお願いしている。山口氏には全般的な視点から,寿,清水,西野各氏からは事例の報告を,中嶋氏には法的な観点も交えてご報告いただき,その後,全体討議を進めることにしたい。