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第39回研究大会の開催について(ご案内)


1997年度日本図書館研究会第39回研究大会を下記により開催いたします。
今大会も例年通り、第1日目に個人研究発表とグループ研究発表を行います。第2日目には「プライバシーと図書館」をテーマにして、4人のパネリストの方々と共にシンポジウムを行います。プライバシーと図書館について考えるよい機会になればと考えております。

本大会に、会員はもとより、多くの方が参加されますよう期待しております。

日  時:
1998年3月1日(日)〜2日(月)

会  場:
京大会館
〒606 京都市左京区吉田河原町15−9
TEL.075-751-8311(代)
京阪電車鴨東線丸太町駅下車徒歩約10分

参 加 費:
会 員 2000円
非会員 3000円(2日目のみの場合は2000円)
学 生 1000円
(当日、受付でお支払いください。団体会員は非会員扱いとなります)

参加申込・お問い合わせ先:
2月10日(火)までに葉書で下記宛お申し込みください。
なお、お電話でのお申し込みは受付かねます。

〒580 松原市田井城1丁目2番23号
松原市民図書館内 西村一夫 宛
TEL 0723−34−8042


◇ 第39回研究大会プログラム ◇

第1日目(1998年3月1日)

     受  付                                   9:40〜
     開会挨拶 理 事 長 塩 見  昇             10:10〜
     司  会  研究委員 村岡和彦 清水理恵

  ☆個人研究発表(報告15分質疑5分)

    (1)図書館未設置地域における図書館に対する住民意識について
            −奈良県川西町の住民意識調査を素材として
           10:20〜10:40
      谷本達哉(夙川学院短期大学)

    (2)図書館の選書・発注サービスと書籍流通 
            −図書館システムと書店のエクストラネット
      10:40〜11:00
      浜田行弘(関西学院大学図書館)

  ☆グループ研究発表(報告30分質疑10分)

    (1)図書館法・学図法改正にかかわる養成教育の現状と問題点 
           11:00〜11:40
         渡辺信一・柴田正美(図書館学教育研究グループ)

    (2)司書課程科目改訂と資料組織法  
      11:40〜12:20
           吉田暁史(整理技術研究グループ)

        《昼食・休憩》      12:20〜13:40

    (3)「図書館経営論」の科目の史的検討 
      13:40〜14:20
           志保田務・西田文男(奉仕研究グループ)

    (4)電子図書館サービスと著作権
      14:20〜15:00
           村上泰子・北克一(「マルチメディアと図書館」研究グループ)

       《休憩20分》     15:00〜15:20

    (5)公共図書館と小・中学校図書館との連携
       −学校司書のいる市区立図書館への調査から−
            15:20〜16:00
      二宮博行、羽深希代子(学校図書館研究グループ)

    (6)1950年代地域図書館活動の研究(中間報告その2)
      16:00〜16:40
      小黒浩司(オーラルヒストリー研究グループ)

       《休憩10分》     16:40〜16:50

    ☆図書館研究奨励賞報告                   16:50〜
    ☆会務報告   事務局長 川崎良孝
    ☆交流会                            17:30〜19:30

第2日目(1998年3月2日)

シンポジウム ”プライバシーと図書館”

     テーマ設定の趣旨 研究委員長 西村 一夫         10:00〜10:15

   「プライバシーは今」
      10:15〜10:55
     渡辺重夫(札幌静修高校)

   「コンピュータとプライバシー−大阪市立図書館の事例から」
         10:55〜11:35
     小西和夫(大阪市立中央図書館)

       《休憩10分》

   「学校とプライバシー」
      11:45〜12:25
      平中和司(木曽福島町立福島中学校)
  
     《昼 食》    12:25〜13:40

   「資料の中のプライバシーと資料提供」
        13:40〜14:20
      三苫正勝(夙川学院短期大学)
  
    討  議             14:20〜16:30

【趣 旨】

1979年に図書館の自由宣言が改訂され、主文の第3項に「図書館は利用者の秘密を守る」がつけ加わり、利用者のプライバシーを守ることの重要性が提起されました。また、「図書館は資料提供の自由を有するもの」としながらも、「制限されることがある」項目として「(1)人権またはプライバシーを侵害するもの」等があります。
図書館が知り得る利用者の情報には1)利用者の氏名、住所、勤務先、在学校名、職業、家族構成など、2)施設を利用した記録、頻度、3)読書事実、リクエスト及びレファレンスの記録、4)読書傾向、5)複写物入手の事実などがあげられます。このような利用者のプライバシーを侵害する様々な事例が各地で起こっています。図書館へのコンピュータ導入に伴って利用者情報をいかに保護するのかも大きな課題となっています。
テレビドラマ「ぴあの」やアニメ映画「耳をすませば」では、図書館の利用事実が簡単に知ることが可能なように描かれていました。また、地下鉄サリン事件に関連して国立国会図書館の利用記録が押収された事件など警察の捜査に関わってプライバシーが侵害される例もあります。
マスコミの取材や報道とプライバシーの保護という点では、岐阜県各務原市の少女誘拐事件や神戸市の小学生連続殺傷事件で問題となった『フォーカス』『週刊新潮』などの例があります。また、図書館資料の中にプライバシーの侵害があるとして問題となった三億円事件報道の新聞縮刷版の閲覧停止の請求がありました。
今年は図書館の自由宣言の改訂から19年が経ちました。施設と資料を提供する図書館として住民のプライバシーを守り、発展させる上で図書館として何ができるのかについて考えてみようというのが今回のシンポジウムです。

そこでまず、『図書館の自由と知る権利』(青弓社)などの著者である渡辺重夫さんから、日本の社会や教育の場におけるプライバシーをめぐる動きについて、図書館と関連づけながら総括的に述べていただきます。
2番目には、貸出返却を始め、督促、検索など図書館業務のほぼすべてにわたってコンピュータが使われている状況の中で利用者データを貸出データから切り離して運用をしている大阪市立中央図書館の小西和夫さんからその考え方についてお話ししていただきます。
3番目には、木曽福島町立福島中学校の平中和司さんに学校でのプライバシーをめぐる状況を報告していただきます。学校や学校図書館でのプライバシーを守るという点については、教育という名の下に案外と切り捨てられる状況がありました。しかし、学校図書館に司書が配置されたり、活動が活発になってゆくにつれてその状況も変化をみせつつあるようです。
そして最後に、夙川学院短期大学の三苫正勝さんから『フォーカス』や『週刊新潮』で問題となったプライバシーと資料提供について報告していただき、プライバシー問題の論議を深めたいと思います。

図書館の業務を進めてゆく上でプライバシーを守ることが非常に重要になっており、このことが住民の信頼を得る条件となります。活発な討議で確かなものとしたいと思います。


《 お 願 い 》

  1. 参加者名簿、予稿集を作る必要がありますので申し込み期日は厳守して下さい。
  2. 第1日目の夜に交流会を予定しております。全国各地の情報交換や旧交を温める年に一度の良い機会だと思いますので、多数ご参加下さい。
    参加ご希望の方は大会申し込みの際に、お葉書にその旨お書き添え下さい。
    会費は5000円程度を予定しています。
  3. 大会参加について公式文書が必要な方は下記の事務局宛ご請求下さい。
    〒531 大阪市北区豊崎3-8-5 朝日プラザ梅田 U-108
    日本図書館研究会 ( 06-371-8739FAX兼/月・木 13:00-17:00 )
    E-mail CZS04500@niftyserve.ne.jp
  4. 手話通訳などを希望される方は申込時にお申し出ください。
  5. 宿泊の斡旋はいたしかねますので、各自お早い目にご用意下さい。